医薬品製造工場は、ASME(American Society of Mechanical Engineers)やAWS(American Welding Society)など各種の国際規格のほか、該当する各地域の規制の下で、厳しい純度および汚染管理が求められます。 製造ライン上の機器でバクテリアや異物による汚染があると、消費者の重大な健康問題につながり、製薬業界に対する一般市民の信頼が損なわれる恐れがあります。
製造ライン全体で汚染を防ぐために、製薬業者は直接的・間接的な品質管理(QC)方法を組み合わせています。 硬性鏡やビデオスコープを使用する工業用内視鏡検査(RVI)では、製造機器の状態を直接調べることができます。
ビデオスコープの挿入管は、最小内径4 mm(0.16インチ)、 最大長さ30メートル(98フィート)となっているため、処理パイプ、チューブ、タンク、容器内の到達しにくい場所にアクセスする理想的なツールです。 優れた画質を誇るビデオスコープは、溶接部に腐食の兆候がないか確認したり、微生物のコロニーが成長しやすい場所をモニタリングしたりするために使用できます。
ビデオスコープを使い医薬品工場の予防保守を4つの方法で改善
RVIは、製薬業者が医薬品の製造管理および品質管理の基準(GMP)要件を満たすために、製造ラインの清潔さを維持するのに役立つ、実用的な汚染防止ツールです。 製薬業者が硬性鏡やビデオスコープを予防保守に導入できる4つの方法は以下のとおりです。
溶接部と熱影響部の変色の合否基準(引用)
サンプル#1b=合格
サンプル#3=合格
サンプル#5=不合格
American Society of Mechanical Engineersの許可を受け、ASME BPE-2016より転載。 無断複写・複製・転載を禁じます。
問題のある部位の残留物蓄積モニタリング
医薬品工場では、生産バッチの変更ごとに製造機器の完全な清浄や検査を行う必要があります。 ビデオスコープを使用することで、品質保証検査員は重要な接触箇所に残留物蓄積や腐食がないか検査し、微生物の成長が疑われる場所をモニタリングすることができます。
パイプ内部の残留物
パイプや容器の金属壁の腐食検査
定期的なプラント保全時にRVIを使用して、製造機器の劣化(腐食や浸食など)を確認し、モニタリングすることができます。
GMPに適合するための検査画像の文書化
目視検査が終わるたびに、監査と検証のため検査レポートが必要になります。 ビデオスコープ検査の画像やビデオはすべて、証拠として文書化できます。 硬性鏡またはビデオスコープのソフトウェアの機能は、レポート作成プロセスの効率に直接影響します。 優れた設計の検査ソフトウェアによって、合理的なワークフローが可能になります。
医薬品工場検査におけるIPLEX™ビデオスコープの利点
IPLEX™ビデオスコープは、製薬工場の品質保証/品質管理検査員が、製造機器の検証と記録管理を容易に行える機能を多数備えています。
- 専門知識の世紀から生まれた先進の光学製品による高画質
- PulsarPic™画像プロセッサーが、照度の低い反射のある環境で検出能力(POD)を高めるためにノイズを軽減し、画像を鮮明化
- 調整可能な彩度で、溶接部の熱影響部(HAZ)の可視性を強化
- 白色および紫外線オプションの変更可能な光源装置
- 効率的な画像データ管理が可能なInHelp™検査支援ソフトウェア
- 制約のあるスペースで検査するためのポータブルで人間工学に基づいた設計
- 操作がシンプルで使いやすいユーザーインタフェース
- 量的欠陥評価を行うためのステレオ計測のアップグレード
IPLEXシリーズがもたらす利点の詳細については、www.olympus-ims.com/en/remote-visual-inspection/videoscope/をご覧ください。
近日公開のブログでは、 溶接部検査とレポート作成を効率的に行うための、正しいビデオスコープソリューションの選択について取り上げます。